京都の老舗宿「柊家旅館」と、ミシュランガイドにて1つ星を獲得したパリのレストラン「Restaurant PAGES(レストランパージュ)」を手掛ける手島竜司シェフ。一休.comでは、この類まれなる2つの個性をコラボさせるイベント「一流シェフと一流旅館が織りなす一夜限りの美食旅」を2021年8月に実施予定。そこで今回は、パリ在住の手島シェフにオンラインでインタビューし、コラボイベントへの意気込みを伺いました!
目 次
京都の老舗「柊家旅館」×パリの名店「Restaurant PAGES」による「饗宴の旅~大人の一休み~」とは?


2021年8月に開催予定の「饗宴の旅~大人の一休み~(https://prdikyuconcierge.ikyu.com/dg01/tieup/2021/00000284/)」。
日本を代表する老舗宿「柊家旅館」にて、「PAGES(パージュ)」の手島 竜司シェフがコラボする1泊2日だけの特別イベント。チェックインからチェックアウトまで京の魅力を取り入れ贅を凝らした、コラボイベントならではのスペシャルな滞在をご提供します。
京都の食材・食器・文化を取り入れた、この日・この地でしか体験できない至福の時間。お食事会場は2か所をご用意。広間の会場食ではライブ感と共に、限定販売のお部屋食ではプライベートな時間を過ごせることが魅力です。更にスペシャルフレンチに合わせたオプションでご用意。
滞在中にはお食事以外にも京都の文化を感じていただけるような体験を計画中です。
今回の企画の魅力について、手島シェフにオンラインインタビューを実施
―海外旅行に行けない今、パリのハイクオリティなフレンチを一流の宿でいただけるイベントができないか、ということからイベントの開催に至りました。手島シェフには、日本ならではの土地の魅力を「フランス料理」で魅せる、まさに饗宴の旅の表現にチャレンジいただくことになりますね。

僕が考えるフランス料理の優れている点というのは、世界各国で食べられる料理であるということなんです。
「フランス料理」というと、昔ながらのオマールエビを用いたソースアメリケーヌやグラタン的なもの、トリュフやフォアグラを使った料理を想像されるのが一般的な概念かと思いますが、アメリカでもブラジルでも、料理のベースとして根付いています。
日本料理は米や魚を中心とした食材で、日本固有の調味料や出汁を用い、料理に厚みを持たせていく形式がありますが、フランス料理はフランスの食材でなくても再現できる。現地の食材やテロワール(土壌)のもので出汁を取って昇華する技法があるから、色々な国の料理のベースがフランス料理から広まっている部分があります。その土地に降り立ったら、フランス料理の技法を使ってどのようなものができるのか、新しい魅力の再現ができるのかということを思っているので、楽しみです。
特に海外に行けない中、フランスの今の料理を届けたいですね。
―再現するという表現が面白いなと思いました。フレンチはどちらかというと頑固なイメージがありましたが、そんなに柔軟性溢れる料理だったのですね。

動物で夢を食べると言われている獏がいますね。フランス料理は獏のようなもので、色んな所に興味を持つ、好奇心旺盛な料理なんです。スペイン料理の技法や日本食材の面白いものを取り入れて、その中でいいものが研ぎ澄まされて残っていく。多国籍なフランスのように、いろんな文化を理解しようと広げていく料理ですね。カトラリーの扱い方や一皿ずつ提供される形式もロシアから伝わり定着したものです。

また、日本人が作っても「フランス料理」になる懐の広さも持っています。日本人がシェフをやっていると分かった上で皆が来るというのもすごい寛容だなと思います。許容範囲が大きい国で、まずは認めて食べてみて、好きだなと思ったら残していくという文化だと感じますね。
―手島シェフはフランスで修行後、帰国して日本でお店を持たれる方が多い中、パリの真ん中で星を獲得され、フランスをはじめ各国のお客様に対しフランス料理を提案されている点がすごいですよね。

フランスに来て15年が経ちましたが、もし日本にフランス料理屋がなかった時代であれば、真っ先に帰国してお店を作っていたかもしれません。日本のフランス料理はまだ歴史が浅く、かつて僕らの上の世代のシェフはフランス料理を忠実に学んでベースを作って持ち帰り、お店を作られました。
僕らはそこから第3世代くらいになるかと思うのですが、若い頃に日本のお店で修業し、フランス修業後には自分の料理を作りたいと思うようになります。

東京でどんどんできていくお店の隙間に入るなら、もっと勉強しなきゃと思ってずっとフランスにいたら、フランスでも勝負できるんじゃないかと。ここで根付いている料理をやっていきたいと考えるようになりました。
今は日本人の料理人がフランスにある自分のお店で培った味を、日本に持っていけるという時代になってきていますね。
―なるほど、日本人がというよりは、手島シェフの料理をフランスで表現されているという感覚になっているということでしょうか。
最近よく音楽で例えるのですが、フランス料理にもジャズ、ポップスという様々なジャンルがあって、それぞれのレストランが好きなジャンルで表現している、という点があります。フランス料理=何、というものがないんですね。
日本はそば、うどん、すし、カレーという専門店が細分化しています。フランス料理はガストロノミー、ビストロ、ブラッスリーという言い方で高級・中級・庶民的な分け方はありますが、ある意味ひとくくりにされている部分がありますね。本当はシェフごとに細かくジャンルがあるので、その中で自分らしさを表現する、ある意味アーティスト的な役割があると思っています。
「飲食業界を盛り上げたい」というきっかけから生まれた企画
―今回、土地の魅力を再現するにあたって選ばれたのは「京都」ですね。手島シェフが考える京都の魅力は?

京都とパリは国際姉妹都市ということもありますが、京都人とパリジャンってすごく気質が似ているんですよ。伝統や歴史を重んじる一方で、新しいもの好き。反面、新参者が入ってくると歴史が浅いと言われたりするのも似ている気がします。
個人的には、京都にはご縁がありまして。「下鴨茶寮」にお招きいただいたり、ホテルで京都の有名な料理人さんとコラボするイベントを数年連続でさせていただいたりしています。なので、そのご縁で知り合った名店の方をゲストでお呼びするのも良いかもしれないし、芸舞妓さんをお呼びしても良いかもしれません。今お話しできる企画としては、老舗の「末富」というお茶菓子屋さんにご協力いただく予定です。
―創業200年を越える「柊家旅館」の皆様にも、今回の企画をすごく楽しみにご協力いただいています。

先日「柊家旅館」さんに滞在させていただいたのですが、一流旅館というのは、チェックインからチェックアウトに至るすべての時間がホスピタリティに溢れているのだと再認識しました。厨房部分を拝見しましたが、器も素晴らしいものばかりでした。
レストランはお食事をしていただく場所なので、旅館は全ての体験でホスピタリティが感じられるというのが面白いと思っています。旅館だからできる空気感の中で、レストランでは実現できないことをやってみたいと思っています。フランス料理と京都の合作のような空気感を感じてもらえたらいいなと。
料理はもちろん、体験についても今回は力を入れるポイントになっていて、チェックインから少し休憩するとき、食前酒や食後のひとときなども計画しています。
僕一人で作るというより、「柊家旅館」さんや、地元の料理人の方も含めてやっていきたいですね。京都は皆が知っている古都ですが、その土地の良いものを最大限に表現し、非日常の体験ができるようになるといいなと思います。
―フランスでも沢山の招聘のオファーがある多忙なシェフですが、日本で今回のイベントに賛同いただいた理由は?

原動力の一つとしては「飲食業界」の発展があります。フランスに来た当時、フランス料理をやりたい、シェフになりたいと思うやる気のある人間が沢山いました。時代が流れ、情報化社会になっていくのと同時に、料理人が長時間労働なのに給料が安く、開業するにはハイリスクローリターンということもあり、若手の担い手がフランス人も日本人も極端に少なくなってきているのが現状です。昔はメディアで騒がれるような有名シェフがいて目標にしたり、それ自体で盛り上がったりしていましたが、今の飲食業界はそういうムードがない。でも僕は料理が好きだし、料理人が好きなんですよね。

本当に魅力的な職業なので、良い所を伝え、豊かな暮らしができるようにしていきたいですし、地位を向上していきたいと思うようになりました。料理人をアーティスト化していく試みをしてみたいと思っていて、それに一休の榊社長が賛同してくださって、今回のイベントのきっかけになりました。
料理人って、お金の話をしてはいけない、古い職人気質が良いという部分があったのですが、時代は先に進んでいる。確かに料理人は修業が長いという印象があると思うのですが、ギターも弾くには練習期間が必要ですよね。練習を続けていく中で次はコピーバンド、つまり誰かのレシピを真似して作ります。同じようにできるようになって、次は自分の音、つまりオリジナルのレシピを作る。そこで料理人はやっと一流になれるのですが、それを知ってもらう機会が圧倒的に少なくて。
味というのは記憶に残るので、外にも積極的に出て行って、色んな所で発信できるようにしたいなと。
―企画している我々もとても楽しみにしています。最後に今回のイベントの意気込みをお聞かせください。

宿の良さと料理の良さを表現することで良い方に動かし、一休さんと一緒に宿業界を盛り上げていければいいなと思います。宿泊業界も今大変だと思いますし、働き手が減っているということも耳にします。今回のイベントを通して、面白いことを連発して、飲食業界も盛り上げていきたいですね。コロナ禍で変わった生活様式に合った新しい旅の形、贅沢の形を提唱したいと思います。
今回のイベントは一休.comとしても史上初の試み。「上質な宿で過ごす」スタイルの旅提案は元々得意分野で扱いにも長けており、それを求めるユーザーも沢山いらっしゃいます。一流シェフと一流旅館が織りなす一夜限りの美食旅。この日この場所だけでしか味わえない、全く新しい贅沢な旅の形に、ぜひご参加いただければ幸いです。
▽詳細はこちら▽:
饗宴の旅~大人の一休み~ Vol.1 柊家旅館×手島竜司
(2021年6月23日12時より販売開始)
(https://prdikyuconcierge.ikyu.com/dg01/tieup/2021/00000284/)
——プロフィール——
手島 竜司
1976年熊本県生まれ。2006年に渡仏。地方から始まり、パリの「ルカ・カルトン」を経て、様々なレストランのシェフを務める。同時に精肉店と食材店での修業やベルギー研修などの経験を積む。2014年にパリ16区の凱旋門付近に「Restaurant PAGES(パージュ)」を開く。2015年、ゴーミヨにて’Grand Chef de Demain'(未来 の巨匠)を 受賞 。同年、店の隣にビストロワインバー「Le 116」を開く。2016年、オープンから1年半という早さで「PAGES(パージュ)」が、ミシュランガイドにて1つ星を獲得。同年、パリ市長から食の金メダルを受賞。同時に熊本市長から熊本親善大使に任命される。2020年パリ郊外に大型のラボを新設。2021年パリ8区にパージュ・パティスリーをオープン予定。
柊家旅館
文政元年(1818年)に創業。「来者如帰」(我が家に帰った様に寛いで頂きますように)を理念とし、200年余り続く歴史ある老舗旅館。川端康成氏の寄稿文には“政治家や財界人ばかりではなく、画家や学者や文学者にも、昔から親しまれた宿として柊家は古都の一つの象徴であろう”と紹介されている。木造二階建て数奇屋造りの本館21室と2006年2月に完成した新館7室の和風旅館であり、ほとんどのお部屋からは緑豊かな坪庭が臨めます。京都駅より10分程度と市の中心部にありながらも、閑静を旨とした趣深い空間で、戦前から海外の観光客が訪れている。












