去る、2021年8月20日~21日。京都の老舗宿「柊家旅館」と、「ミシュランガイド FRANCE」の1つ星に掲載されているパリのレストラン「Restaurant PAGES(レストラン パージュ)」を手掛ける手島竜司シェフがコラボレーションした特別なイベント「饗宴の旅~大人の一休み~」の第1弾が、「柊家旅館」を舞台に開催されました。
一流シェフと一流旅館、類まれなる2つの個性が融合した1泊2日の美食旅を、実際の様子を交えてご紹介いたします。

この日・この場所でしか体験できない特別なひとときをより楽しんでいただけるように、お食事以外にも、京都の文化を感じられる体験をご用意。
一流の食と旅が融合した1泊2日の内容はこちらの通りです。
目 次
【チェックイン(イベント限定の特別なお着き菓子で一休み)】


文政元年(1818年)の創業以来、「来者如帰(らいしゃにょき)」の心を守り続ける「柊家旅館」。京都駅から約10分という街の中心部にありながら、門をくぐれば、外の喧騒とは無縁の閑静で趣深い空間が広がります。

客室は、木造二階建て数奇屋造りの本館21室と、2006年2月に完成した新館7室の全28室。ほとんどのお部屋からは緑豊かな坪庭を望み、目と舌で味わえる京懐石と共に、柊家旅館の伝統を感じられます。

宿のチェックインは15時からですが、それより早くご到着されるお客様もいらっしゃるほど。今回のイベント(滞在)へのお客様の期待を感じられました。
3面ガラス張りで開放感たっぷりの広間にてチェックインを済ませたら、それぞれのお部屋へ。

「柊家旅館」六代目女将の西村明美さん

手島シェフと親交がある京都の老舗和菓子店「京菓子司 末富」の四代目主人・山口祥二氏にもご協力いただき、お着き菓子には、川端康成氏から「京菓子司 末富」に依頼があり用意されたという「宝袋」。
川端康成氏が定宿としてこよなく愛したことでも知られる「柊家旅館」とのご縁に因んだ、老舗ならではの粋なおもてなしです。
【京の文化を感じる催し】


ご夕食前には広間にて、京の文化を感じられる特別な催しを開催。最初に、「柊家旅館」六代目女将の西村明美さんからご挨拶。

続いて、京都五花街のひとつである宮川町より、「柊家旅館」で懇意にされている芸舞妓さんをお呼びし、舞を披露していただきました。この日来てくださったのは、「地方」、「芸妓」と「舞妓」の4名。
ちなみに一般的には、中学を卒業した15歳くらいから修業に入り、見習いの期間を経て「舞妓」となり、そこから約5年の修業を積み、「襟替え」という舞妓が芸妓になる儀式を経て「芸妓」になるそう。髪型や着物もそれぞれ異なり、「舞妓」は地毛を結い上げて、かんざしで飾り付けた華やかな髪形であるのに対し、「芸妓」は、飾りのほとんどないかつらを被るといった、当たり前のようで実は知らないことなどを実際の「舞妓」「芸妓」を目の前に説明していただきました。

披露していただいたのは全3曲。京の文化を間近に感じる、贅沢で雅なひとときとなりました。

「京菓子司 末富」の四代目主人・山口祥二氏よりご挨拶。お着き菓子の「宝袋」と、この後のディナーで提供される特別なデザート、このイベントのために用意されたお手土産の紹介をしてくださいました。
【お部屋にて夕食】

今回のイベントの一番の目玉といっても過言ではないのが、手島シェフと柊家旅館がコラボレーションした料理です。
手島シェフがただ柊家旅館のキッチンを借りて料理を作るのではなく、岩山料理長率いる柊家旅館の料理人たちと共に生み出すこの日のためだけのメニューとあって、どの料理も注目せずにはいられません。
もともとは広間での「会場食」も予定していましたが、当日は全て「お部屋食」に。ワインなどのアルコールはボトルでの提供にする等、新型コロナウィルスの感染状況を鑑み、お客様の安全に最大限に配慮を行った上での「饗宴」となりました。

手島シェフと、「柊家旅館」岩山料理長

手島シェフと、「柊家旅館」六代目女将・西村明美さん
撮影のために特別に少しだけ、厨房を覗かせていただきました。
「紆余曲折あるこのコロナ禍において、素晴らしい仲間たちと料理を作る機会をいただけたのは本当に有難いこと。全員でマックスの力を出して、お客様に満足していただけるように頑張ります。」
と、前向きに語ってくださった手島シェフ。
フレンチと和食という垣根を越えて、手島シェフチームと柊家旅館チームが一致団結し、楽しそうに料理を作っていらっしゃる姿を見て、私自身もパワーを分けてもらったような気分になりました。

ここからは実際に提供された料理の一部をご紹介いたします。

コースの始まりを飾る1品目は、前菜の盛り合わせ。
マスカルポーネを加えた「無花果と芋茎の白和え」。「ひよこ豆と大豆の煎り酒漬」。ホオズキの中身は、「真鯛昆布〆と自家製唐墨のバロティーヌ」と、「柊家旅館」ならではの味を3種楽しめます。

雲丹の寿司を洋風にアレンジした「利尻産雲丹と シトロンコンフィ のリゾット」。
今回の料理に使われている器は全て「柊家旅館」のものですが、洋風の料理との相性も素晴らしく、料理をいただく前から、目でも楽しませてくれるものばかりでした。

「梶谷農園のシーザーサラダ」は、手島シェフの奥様のご出身である川越の名物「ふくれせん」を器に見立てたサラダで、シェフの人柄を感じられます。
「ふくれせん」を崩しながら、中に入っている「梶谷農園」のミックスハーブ、自家製ハム・ソーセージの専門店「メツゲライクスダ」のベーコンと混ぜ合わせていただきます。

「鰻の印籠焼」は、「柊家旅館」の8月の会席料理でも出されているという定番の「鰻の印籠焼」をアレンジ。今回のコラボレーションを意識して、通常の鰻の焼きダレにバルサミコ酢を加えたソースと、薄切りにしたブドウが添えられています。

京都産の「ななたに地鶏」を使用した「鳥の一生」は、料理名からしてインパクト抜群!シェフが飼育家さんの元を訪れた際に思い付き、お店を始めた頃から作られているというシグネチャーメニューです。
トリュフの下には、卵黄と、鶏が育った地で作られたハーブが隠れており、鶏が生きた証を一皿に表現しています。

シェフがお客様のお部屋に伺うタイミングによっては、このように料理の仕上げを目の前で見ることも。束の間ですが、直接シェフから料理の説明や想いを伺いながら、美食を堪能することができました。

スペシャリテとして登場したのは「HINOMORI チュレタ×シャトー・ラ・トゥールの香り」。3か月熟成した「やまびこ牛」の骨付き背肉をグリルし、シェフと親交のあるフランス・ボルドーのワインシャトー、「シャトー・ラ・トゥール」のブドウの枝を燻して香り付けした贅沢な一品です。

ちなみに、香り付けに使用した「シャトー・ラ・トゥール」のブドウの枝は、お客様のお部屋にも置かれていたもの。実際に枝に触れた後にいただく料理は、一層味わい深く感じられました。

「締め」のごはんは、土鍋で炊き上げた魚沼産こしひかり。
トマトとビーフコンソメを合わせたスープをかけて、洋風のお茶漬け感覚でいただきます。ごはんの上にかけられたホースラディッシュが爽やかに香り、コースの最後にさらりといただけました。

コースの最後を飾るのは、お待ちかねの「末富 スペシャル デセール」。
「京菓子司 末富」を代表する琥珀のお菓子に金箔をあしらったもの、葛焼き、水ようかん、カステラ。2種の琥珀糖は、ラタフィアという果実酒を入れたものと、ミントを入れたもの。中央には、手島シェフのアイディアだというマンゴーのアイスが添えられていました。
手島シェフ、「柊家旅館」、「京菓子司 末富」の3者が見事に融合した素晴らしい料理の数々に、お腹も心も満たされたひとときでした。
【お部屋にて朝食】

翌日の朝食もお部屋にて。
夕食と同様に、手島シェフと「柊家旅館」のエッセンスが融合した、この日だけの特別な朝食がテーブルを彩ります。

こちらも実際に提供された料理の中から一部をご紹介いたします。

モーリエ茸やセップなどのフランス産の茸を使用した「仏産茸のオムレツ」は、「柊家旅館」の料理長・岩山氏手作りのウスターソースをかけて。
横には、夕食でも提供された「メツゲライクスダ」のシャルキュトリーが添えられています。

トリュフが香る「クロックムッシュ」は、朝からとても贅沢な気分にさせてくれる一品でした。


「仏産MOFのクロワッサン」と京都の「ブーランジェリー リベルテ」の「バゲット」には、元パティシエである手島シェフのマダム特製の「コンフィチュール」や、「エシレバター」を付けていただきます。

和の空間で、美しい和の食器に盛り付けられた洋風の朝食をいただくという心地良く贅沢な違和感を、朝からたっぷりと堪能させていただきました。
【チェックアウト(イベント限定の特別なお土産をご用意)】

チェックアウトのお見送りは、女将や「柊家旅館」の方々だけでなく、手島シェフと岩山料理長も。
チェックアウトされる際のお客様の笑顔はもちろん、手島シェフ、女将、岩山料理長をはじめ、今回のイベントに関わった全ての人たちの充実した表情もとても印象的でした。

今回の滞在の思い出に、「柊家旅館」と「京菓子司 末富」から用意していただいたお手土産がこちら。

「柊家旅館」からは、実際に宿でも使用している「堀口切子」のグラス。柊の葉の模様があしらわれ、使う度に今回の滞在を思い出させてくれそうです。


「末富」からは、高木酒造の日本酒「十四代」の酒粕を入れた「酒酵煎餅・京ふうせん」を。「十四代」・「末富」・「PAGES」の焼き印が押されており、今回のイベント限定のとても希少なお手土産です。

イベント開催前の事前インタビューにて、料理を音楽に例えて想いを伝えてくださった手島シェフ。
「僕たちはいつも5,6人でバンドメンバーのような感覚で料理を作っていますが、今回は柊家旅館の皆さんとオーケストラを演じたような感覚でした。慣れない部分もありましたが、一丸となって新しいものを生み出すことができて良い経験になりましたし、何よりもこのような素晴らしい場所で料理を作る機会をいただけたことが嬉しかったです。」
と、イベントの最後まで、変わらぬ感謝の気持ちと料理への想いを語ってくださいました。
お客様に楽しんでいただきたいという共通の目標に向かい、一流シェフと一流旅館がタッグを組んで実現した一夜限りの美食旅。この日この場所だけでしか味わえない全く新しい贅沢なひとときは、緊張が続く日常を少しだけ忘れさせてくれるような特別な時間になったと思います。
今回のイベントは、「Restaurant PAGES(レストラン パージュ)」の手島シェフと一休.comによる「饗宴の旅~大人の一休み~」の第1弾。今後、旅の舞台を別エリアの一流旅館に変えて、第2弾の開催も計画中です。
準備が整い次第告知いたしますので、上質な宿で過ごす贅沢な美食旅の今後にご期待ください!
——プロフィール——
手島 竜司
1976年熊本県生まれ。2006年に渡仏。地方から始まり、パリの「ルカ・カルトン」を経て、様々なレストランのシェフを務める。同時に精肉店と食材店での修業やベルギー研修などの経験を積む。2014年にパリ16区の凱旋門付近に「Restaurant PAGES(パージュ)」を開く。2015年、ゴーミヨにて’Grand Chef de Demain'(未来 の巨匠)を 受賞 。同年、店の隣にビストロワインバー「Le 116」を開く。2016年、オープンから1年半という早さで「PAGES(パージュ)」が、ミシュランガイドにて1つ星を獲得。同年、パリ市長から食の金メダルを受賞。同時に熊本市長から熊本親善大使に任命される。2020年パリ郊外に大型のラボを新設。2021年パリ8区にパージュ・パティスリーをオープン予定。
柊家旅館
文政元年(1818年)に創業。「来者如帰」(我が家に帰った様に寛いで頂きますように)を理念とし、200年余り続く歴史ある老舗旅館。川端康成氏の寄稿文には“政治家や財界人ばかりではなく、画家や学者や文学者にも、昔から親しまれた宿として柊家は古都の一つの象徴であろう”と紹介されている。木造二階建て数奇屋造りの本館21室と2006年2月に完成した新館7室の和風旅館であり、ほとんどのお部屋からは緑豊かな坪庭が臨めます。京都駅より10分程度と市の中心部にありながらも、閑静を旨とした趣深い空間で、戦前から海外の観光客が訪れている。
柊家旅館
京都府/京都












